ルーブル美術館の年間パスを使った有意義な時間のすごし方
考え事をするには風呂とトイレが適していると言うが、ルーブルもトイレと似たようなもんである。部屋ごとに展示物が違うので、気分を変えたい時、研究で煮詰まったときなどには割りと便利だ。年パスを利用して、水曜夜はルーブルに難問を持ち込んであれこれ考えることにしている。先日はそれで定理を一つ証明できたりした(よってTheoreme du Louvre 1と名付けた。)
写真は最近のお気に入りで、タコイエスと呼んでいる。どんな状況?と思わずにはいられない。よく日本人は変態だと言われるが、西洋の人も相当だと思う。大きいし分かりやすいのでルーブルの待ち合わせ場所としても使えそう。
あとこれ。キリスト教絵画には顔色が最悪の人物がよく出てくるが、これは理由がハッキリしていてとても良い。(さらにその元の原因は知る由もないが)
安くておいしいフランス料理を楽しむ方法
フランスにいるからと言ってフランス料理ばかり食べているわけではなく、大抵家で奥さんの手料理を食べている(米中心)。レストランのフランス料理などはランチで2回ほど食べたきりである。しかし家の近くで週3日マルシェが開かれるため、先日ヒラメとホワイトアスパラを買って、バター炒めしたら大変うまくてびっくりした。アスパラは日本のものよりも倍以上太いと思われるが、ほくほくした身が詰まっており、一本で十分満足できる。ワインもマルシェで安いのを買ったがとても飲みやすく、ごちそう気分を味わった。下手にレストランに行く必要は無いのかもしれない。
写真は近所の映画館で上映していた日本映画「カメラを止めるな」。フランス語タイトルはNe coupez pasで、直訳すると「切るな」。わかりやすいエンタメでとても良かったが、客は少なかった。
パリの生活でフランス語は必要か?
大学では教授も学生もみな英語を操るので、全くフランス語の必要性を感じない。しかしそれだと全くフランス語を使わずに過ごしてしまうので(それはそれで別に問題ないのだが)、仕事以外のあまり重要でないシーン(大学のバドミントン部など)では「英語を話せない人」のフリをすることにした。
大半は何を言われているのか全く分からないのだが、仮に英語で話しても大した内容ではないことがわかっているので気が楽である。最初に「あ、こいつ言葉がアカンやつだ」と認識してもらえれば、相手も一生懸命フランス語での意思疎通を図ろうとしてくれる。しかしいくら勉強したところで、フランス語ってやっぱり必要無いんだよなあ…。
写真は帰宅途中に出会った、泪川を見て佇んでいる鴨。近寄っても逃げずにじっと川を見ている。泣いているようにも見える。友だちになれそうな気がする。ちなみに池波正太郎も言っていたが、フランスは牛肉よりも鴨がうまいと思う。
パリのオペラ座でバレエなどを観賞する時の落とし穴
せっかくヨーロッパにいるので、娘にバレエを見せたいと思い(娘も見たいと言うので)、オペラ座のチケットを予約しようとネットを調べた。Casse-Noisette(くるみ割り人形)がある!と一瞬興奮したが、5月の公演は既に満席であった。よくわからない振付師のオリジナルバレエなどは公演が始まっているのにまだ空いているが、娘が見たがっているものとは違う気がする…(繊細な感じではなく、多分ゴリラみたいにのしのし歩くパワフルなやつ。胸焼けしそう)。そうなると来年2月のジゼルを待たねばならない…遠い…。しかしそれでもチケットを入手できるかどうかは不明だ。パリやウィーンに来てオペラなどを見たいと思ったら半年以上前に計画したほうが安全と思われる。
写真は夜の泪川。まだ焼ける前なのでノートルダムに尖塔が見える。
ノートルダム火災の記録
*** ご心配をおかけしております。まだ生きております。 ***
一応記録しておく。火事と喧嘩は江戸の華というが、パリでも似たようなものである。仕事が終わって最寄り駅に着いたら、通りが群衆で溢れ返っており、警察が交通規制を敷いていた。何事か、と思ったら建物の間から巨大な炎が見えた。これはどうもまずいことになった、と急いで家に帰ると、家族は呑気に夕餉の支度をしていた。なにしろ家から歩いて30秒で見えるので、状況把握のため泪川沿いに行くと、大勢の野次馬が密集していた。あれほどインパクトのある火事はなかなかお目にかかれないだろうから、無理もない。もったいない…としか感想が出てこない。土曜のデモの日ではないので、単なる事故だろうとは思ったものの、久々に肝を冷やした。今朝遅れて小雨が降っているが、既に火は消えている。しかしフランスは何かと踏んだり蹴ったりですな。